中学時代(ある先生のこと)

2010年08月30日

先日知事選の投票所である母校に行きました。
そこで昔のことをいろいろ思い出したので中学時代の思い出を書きます。

私の通った中学校は結構荒れてて大変でした。
まあ、今から30数年前の話で現代とは少し違うと思いますが。
それでも私個人の話で言えば、何かと濃い中学時代でした。

イジメも両方経験しました。イジメルほうとイジメラレルほう。
卒業前に学校に行くのが嫌になって登校拒否もしました。
でも、友達から「出てこいや~」コールで数日で登校w

荒れてる中学なので今思えば先生は「人格者」が多かったです。
我母校に赴任した先生は赴任が終わったら校長になったり、
教育委員会の偉いさんになったりしていました。

前置きが長くなりましたがある先生の話・・・

中学二年生のときの担任のS先生は当時30歳の若造です(既婚でしたが)
今、自分が大人になって思い出せば非常に良い先生でした。
気さくな先生で贔屓もせず満遍なく生徒に接してくださいました。
外見的な印象で言えば、非常に目力のあるかたでした。

その頃の私は今と全然違い、暗い性格で人と話すのが苦手で
学校は全然面白くなく、嫌で仕方なかったのです。

何の授業だったか忘れましたが、ある日S先生がみんなに言いました。
「はい、みんな目を閉じて・・・」
そして静かに問いかけました。

「この中で自分が環境に適応するのがヘタだと思う人手を揚げて」

私は後ろのほうの席だったのでそっと手を揚げました。
薄目で見ると40人くらいのクラスで3人くらいしか手を揚げてませんでした。
そしてまた慌てて目を閉じました。

「はい、手をおろして。みんな目を開けて」

目を開けるとS先生と目が合いました。
心の中まで見透かされそうな大きな眼です。
先生は私から目をそらさずに言いました。
「みんなくらいの年齢ではそういうふうに悩むのは当たり前です。
決して変じゃない。心も身体も大人になる途上ではよくあることです。
でも、何かあったら先生が力になるからいつでも相談してください」
私はずっと涙ぐんで先生の目を見ながらその言葉を聞いていました。

しかし、その後私は先生に何も相談することはなかったのです。
単純な私は先生の力強いその言葉だけで勇気付けられました。
そして先S生は私の信頼できる大人のリストに入ったのです。


そして20数年後、友達から聞いた話です。
詳しくは書けませんが友達の子どもが通っているクラスで
先生、生徒を巻き込んだ事件が起こります。

当事者となった友達の子どもはそのことを友達(母親)に言います。
困った友達は悩んだ末、他校で校長をしていたS先生に電話をかけます。
「先生覚えていますか?○年、○○中学のとき先生のクラスだった○です」

たくさん生徒を教えているので忘れてても不思議じゃないのに、
S先生はその目立ちもせず大人しい友達を覚えてくださったのです。
そして友達の話を聞き、次の日すぐに色んなところに働きかけてくれ、
その問題を解決に導いてくださいました。

友達の報告を聞いてすぐに中学時代の先生の言葉を思い出しました。
やはり中学時代の印象のまま素晴らしい先生だったのです。
その後も先生の功績は新聞で何度か読みました。

数年前はその友達や数人で定年退職した先生の個展を見に行ったそうです。
私も誘われましたが、どうしても仕事を休めなくて行けませんでした。
後でみんなで撮った写真を見せてくれましたが、
先生は白髪になっていて、30年前の眼光は少し温和になっていました。

S先生は面白いエピソードもあるけれど、
素晴らしい教育者であり、私の尊敬する先生の一人です。
あのときの先生の年齢をとっくに超えてしまったけど、
自分は先生の足元もにも及ばないとため息をつくしだいです。

おわり  


Posted by 阿宇羅 at 23:31その他